就労継続支援B型は、障害や病気などにより雇用契約を結び働くことが困難な方のための障害福祉サービスです。
名称などはなんとなく聞いたことがあると思いますが、実際にどのような作業をしたりサポートを受けられるかはわからないものです。
ここでは、就労継続支援B型の作業内容について詳しく解説します。
就労継続支援B型とは?
就労継続支援B型とは、前途でも挙げましたが障害や難病のある方が一般の企業で働くことに対して不安がある場合に、雇用契約を結ばず就労訓練をおこない働く
チャンスを提供する福祉支援サービスのことです。
一方で、就労継続支援A型はB型と異なり、一定の支援があれば雇用契約を結び働ける人を対象にしたサービスになります。
就労継続支援B型の特徴
就労継続支援B型の特徴は、利用できる方に条件があることです。
利用可能な方には制限がある
まず就労継続支援B型を利用できる方は、心的障害のある方・難病を抱えている方・精神障害がある方・知的障害がある方が対象になります。
この対象者の中で次のような条件に当てはまれば利用することができます。
・50歳以上の方
・就労経験がある方で、加齢に伴い体力面で一般企業への雇用が難しい方
・障害基礎年金1級の受給者である
・就労移行支援事業者等によるアセスメントにより、就労面の課題が把握されていて就労継続支援B型事業所を利用する方が適切だと判断された場合
障害者手帳は必須ではない
障害者手帳の所持が確認できた方が障害の度合いを確認しやすいので、スムーズに支援を受けられる傾向にあります。
しかし障害者手帳の所持は、就労継続支援B型のサービスを受けられる必須条件ではありません。
障害者手帳が無くても、かかりつけ主治医の診断書を提出して申請する「障害福祉サービス受給者証」があれば利用ができます。
就労継続支援B型の利用者に提供されるサポート
就労継続支援B型の利用者は具体的にどのようなサポートを事業所で受けられるのでしょうか?
利用者の個性を伸ばす支援計画をサポート
利用者は人それぞれ得意なジャンルの作業や個性があります。
事業所のスタッフがそれを一人一人見極めて、個別の支援やメニューを作成してどのような支援をするか計画書を作成してもらえます。
健康管理や余暇の支援
利用者の中には心身の不調のため、一般企業での就労が難しい方がいます。
そのような方のために生活支援員がおり、利用者が安心して働けるよう健康面で日常的に相談を受けサポートします。
心身健康面の支援の一環として、散歩やレクリエーションなどをおこない余暇を楽しみながらコミュニケーション能力向上を図るサポートなどもあります。
利用者の送迎
事業所により利用者の送迎をおこなっている場合もあります。
都心などの交通の便が良い場所は送迎がない事業所もありますが、地方などの事業所などは自宅までの送迎や近隣の駅までの送迎をおこなうケースがあります。
就労継続支援B型の仕事内容はどのようなもの?
就労継続支援B型事業所ではどのような作業をおこなうのか確認していきます。
就労継続支援B型事業所での仕事内容
就労継続支援B型事業所での仕事内容は、事業所により大きく仕事内容が異なります。
主な一例は以下の通りです。
・清掃作業
・簡易的なパソコン入力作業
・製品梱包と発送作業
・値札付けと袋入れ
・衣類のクリーニング
・パンや菓子などの製造業務
・農作業
一般的に軽作業を通じてサポートを受けながら就労訓練をおこないます。
スキルを身につけながら工賃をもらいます。
就労継続支援B型の利用者が貰える工賃
就労継続支援B型の利用者が働いて貰える報酬は、賃金では無く工賃として支払いがあります。
令和3年度厚生労働省の調査では、就労継続支援B型の利用者が貰える平均月額工賃は16,507円*となります。
時間給にすると233円と、一般の方が貰える最低賃金よりもかなり低いのが現状です。
*厚生労働省 令和3年度工賃(賃金)の実績について参照
賃金が低い要因としては、利用者の多くの方が支援を必要としているケースが多いことにあります。
そして前途にあるようなサポートを受けながら提供を受けられる障害福祉サービスとなるためです。
就労継続支援B型の利用期間には制限がない
同様の就労支援サービスである「就労移行支援」を利用する場合には、基本的に2年間の利用期間が設けられます。
しかしながら就労継続支援B型の利用期間には制限がありません。
急いで結果を出すことを目的としておらず、時間をかけて就労訓練のトレーニングをします。
就労継続支援B型の利用者の中には、一人での作業が困難と感じるケースもあります。
そのような時は指導員の支援を通して、作業の困難を乗り越えステップアップに繋げ仕事にやりがいを見出す協力をしてくれます。
まとめ
就労継続支援B型は、障害や難病のある方を対象にした就労訓練サービスです。
一人ではもう社会貢献できないと考えていた方も、サポートを受けながら自分に合う仕事を見つけることができるサービスなので、仕事に悩まれた方は一度就労事業所に相談してみると良いかもしれません。